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ブログ(現場レポート)

ポルシェ911と901

2025年 6月 30日

 

皆様は、ポルシェという自動車メーカーをご存じですか?

山口百恵さんの曲にも出てくる「真っ赤なポルシェ♪」など、

おそらく、多くの方が一度は耳にしたことがあると思います。

 

ポルシェの中で、最も有名で代表するモデルが、ポルシェ911。(キューイチイチと読みます)

スーパーカーブーム世代の私は、このポルシェ911が子供の頃から大好きです。

そもそもなぜ、車名に911という中途半端な数字がついたのか。

今回は、その911の名前の由来と、901という幻のポルシェの話をご紹介します。

 

911が誕生したのは、60年以上前の1964年。

当時フォルクスワーゲンと提携する可能性があったポルシェは、

フォルクスワーゲン側の開発コード(100~800番)に合わせて、

まだ使用されていなかった900台の開発コードを使用しました。

そして開発コードそのままに、ポルシェ901(900番台の最初のモデル)として生産に入りました。

 

しかしここで重大なアクシデントが起こります。

 

プジョーというフランスの自動車メーカーが、

「3桁の数字で真ん中に0を使う」ネーミングはすべてウチが商標登録している!!!

と主張してきたたのです。

(実際にプジョーは、今も全モデル名真ん中にゼロが入ります)

ポルシェはしかたなく、急遽ナンバーを0から1に変更して「911」としました。

そしてこの開発コードがそのまま車種名になり、911が生まれたというわけです。

 

ただ、このエピソードには興味深い続きがあります。

 

実はこの時点で、すでに工場で901のモデル名が刻印・生産された個体が82台あった※のです。

※901という名前はその後も(ポルシェ911の901型)という型式として製造されましたが、901のモデル名で製造された個体は82台のみ。

幻の82台の911という訳で、当然希少価値は上がります。

 

ポルシェには、歴代モデルをすべて収蔵したポルシェミュージアムというのがあるのですが、

唯一この正真正銘82台しかない901のみが、50年間にわたってコレクションから欠如していました。

 

だがしかし!!!!!

誕生からちょうど50年が経過した2014年、

偶然にもドイツのお宝発掘番組(なんでも鑑定団的な?)で、幻の901が発見されたのです。

発見時はボロボロでいくつかのパーツが欠損した状態でしたが、ポルシェミュージアムが真贋を鑑定してみると、

偶然にも82台のうち、なんと一番最後(82番目)に製造されたロットナンバーの個体だったのです!!!!!

ただの901ではなく、正真正銘この世で最後につくられた901。

(↓は実際の写真です)

そしてポルシェ本社が総力をあげて元の状態にレストアすることを視野に入れて、そのまま持ち主と交渉し購入に至ったそうです。

購入価格は公表されていませんが、この歴史的にも貴重な個体の901が、50年を経てポルシェに帰ってきたのです。

なんともロマンのある話ですね。

私はこのエピソードが大好きで、下の写真4枚だけで白メシ3杯はいけます。

ゆかりのふりかけがあったら、頑張ってもう一杯いけます。

 

レストア作業は難航を極めましたが、エンジニア達の手によって3年をかけ、

現在はエンジンに至るまで完璧な状態にレストアされ、ドイツのポルシェミュージアムに収蔵されています。

(死ぬまでに一度、この本物を見てみたい・・・もちろん白メシ片手に。)

 

しかしなんと!!

岡山県の私のデスクの上にも、901が1台収蔵されているのです!!

左: ポルシェ911(現行型)  右: ポルシェ901

ポルシェには「最新が最良」なんて言葉もありますが、911に関してはそうでもない気がします。

ちなみにこちらは毎日見る事ができますが、どちらも実物に乗るのは無理なので、私が64分の1スケールになる方法を探します。

 

執筆:G.H

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